中国のINDC

 中国は、2007年にアメリカを抜いて世界最大のGHG排出国になり、過去からの累積排出量でも世界第2位の排出国です。国際的な交渉力も大きく、条約・議定書交渉では極めて重要な国です。
 これまでの中国の条約・議定書交渉でのスタンスは、先進国の歴史的責任を主張し、先進国にGHGの削減を求めるとともに、途上国への資金・技術援助を求めるものでした。また、先進国が地球温暖化対策の名目で、他国(中国など)の主権の侵害や内政への干渉や圧力を加えることへの警戒心が強く、国家主権・内政への不干渉を強く主張しています。そのため、中国は地球温暖化対策に消極的な国だと認識されることが多かったように思います。その典型的な出来事は、COP15で、コペンハーゲン合意の内容を弱めたのは中国だったと報道されたことです。
 しかし、世界最大の排出国となったこともあり、途上国の中からも中国に対策の強化を求める意見も出始め、中国も変わってきています。2007年には地球温暖化対策の具体的な目標、基本原則、重点分野や政策措置が含まれる「気候変動国家方式」が採択され、2008年には改正省エネルギー法が施行されています。2009年8月には、地球温暖化問題への対処を持続可能な発展の長期的な任務とし、低炭素経済の発展が明記された全人代決議が採択されています。実際、風力発電の設備容量は世界一で、太陽光発電も急速に増やしています。
 中国政府は、2015年6月30日、INDCを条約事務局に提出しました。その内容は、CO2排出量を2030年までにピークアウト*6し、そのために国内総生産(GDP)当たりの排出量を2005年比で60~65%削減するとしています。GDP当たりの原単位目標で、総量削減目標ではありませんが、中国が2030年までに排出量を増加から削減に転じることを明言したことはCOP21に向けた明るい話題です。

*6 排出量のピーク(最大の排出量)から減少に転じさせること。
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