カンクン合意

 メキシコのカンクンで開催されたCOP16は、コペンハーゲンの失敗をどう乗り越えるかが課題でした。
 そのCOP16の初日に、あろうことか、日本政府代表団が、「いかなる条件、状況においても、日本が京都議定書の第二約束期間の削減目標を約束することはない。」と発言し、このことが大きな非難を浴びました。カンクンでは、コペンハーゲンで失われた途上国と先進国の間の信頼関係を再構築することが最大の課題であり、議長国のメキシコ政府がこうした雰囲気づくりに努力をしていたにもかかわらず、こうした努力を無にしかねない発言だったからです。この発言は、ロイター、新華社通信、メキシコの新聞など海外のメディアが一斉に報道しました。ロイターの見出しは、「日本が京都議定書を殺す発言」でした。CASAも参加する世界の環境NGOのネットワークである気候行動ネットワーク(CAN)が、その日の「化石賞」*6を日本に授与したことは言うまでもありません。
 COP16で採択されたカンクン合意は、COP決定とCMP決定とからなっていて、CMP決定には「京都議定書の第2約束期間」の文言が明確に記載され、第1約束期間と第2約束期間との間に「空白(ギャップ)」を生じさせないように、第2約束期間の削減目標を検討するとされました。COP決定では、2 ℃未満目標がCOP決定に初めて書き込まれ、世界の温室効果ガスの排出量をできる限り早くピークアウトすべきとされています。
 また、コペンハーゲン合意に基づいて提出された締約国の自主目標(プレッジ)が、補助機関会合の情報文書に書き込まれることになりました。
 COP16の最大の成果は、コペンハーゲンで失われた多国間交渉への信頼を回復させ、途上国と先進国との間の信頼関係を修復したことです。メキシコ政府は徹底して「透明性ある運営」を心がけていました。とりわけ、閉会総会では、COP/ CMP議長を努めたメキシコのエスピノーサ外務大臣には、多くの締約国から感謝の言葉が多く捧げられました。
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写真 11月28日のCOP16の開会式 中央がエスピノーサCOP/CMP議長、左がフィガーレス条約事務局長(出典:IISD)


*6 CASAも参加する、世界の地球温暖化問題に取り組む世界のNGOのネットワークであるCANが、その日の会議で、もっとも後ろ向きの行動や発言をした国に与える「不名誉」な賞。
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