決裂したCOP15

 COP13で、COP15で次期枠組み合意をすることになったことから、COP15は決定的に重要な会議になりました。そのことを象徴しているのが、COP15に120ヵ国近い首脳が参加したことです。このことは、地球温暖化問題が国際政治の最重要な課題になったことを示していました。政府代表団、NGO、メディアなどの参加者も、COP史上最多の119ヵ国から4万人を超えました。
 会議の終盤に、オバマ大統領など先進国と主要な途上国などの20数ヵ国の首脳が集まり作成したコペンハーゲン合意案は、手続きが不透明で、公平性を欠くとして、ベネズエラ、ボリビアなどの複数の国が異議を唱えたため、決定として採択することができず、「コペンハーゲン合意」を「留意」するとするCOP決定を採択するに止まりました*5
 COP決定として採択はできませんでしたが、このコペンハーゲン合意には、いくつかの前進面がありました。地球の地表の平均気温上昇を工業化以前から2℃に抑制するという科学的見解を認識し、1.5℃未満を含む長期目標を強化することを確認したこと、先進国は2020年の削減目標を、途上国は削減行動をそれぞれ提出するとしたこと、2012年までに300億ドル、2020年までに毎年1000億ドルの資金拠出を先進国合同で目指すことになったことなどです。とりわけ、先進国の削減目標と途上国の削減行動がひとつの文書に書き込まれ、削減目標をもつ先進国と、もたない途上国という二分構造を 超えた合意になっていたことは、大きな前進面です。
 しかし、120ヵ国近い国の首脳が集まりながら、合意できなかったことにより、主として先進国から、国連方式の条約・議定書プロセスへの不満と失望の声が高まったことも事実です。

*5 「留意」するとするCOP決定は、それだけでは締約国を拘束せず、同意する国のみを政治的に拘束する政治的合意です。大多数の国が「コペンハーゲン合意」を支持しても、この合意が自動的に2013年以降の枠組み交渉の基礎はならないところが、「コペンハーゲン合意」がCOP決定として採択された場合と異なります。
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