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人類の未来を決める2015年合意

 11月30日から、パリで気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催されます。このCOP21で、すべての国が参加する2020年以降の新たな法的枠組みに合意することになっています。この合意は2015年合意と呼ばれています。
 IPCC第5次評価報告書(AR5)は、世界の平均気温の上昇が工業化(1850年頃)以前から2℃を超えると、様々なリスクが上昇し、4℃を超えると適応の限界を超える恐れがあると警告しています。そして、平均気温の上昇を2℃未満に抑制するためには、2030~50年に大幅な削減が必要で、現行水準以上の削減努力が2030年まで実施されなければ、長期的に低排出水準へ移行する困難さは大幅に増し、2℃未満に抑えるための選択肢の幅を狭めるとしています。COP21では、2030年までの削減目標や対策を軸に交渉が進められており、「2015年合意」が人類の未来にとって決定的に重要になっています。

  

2015年合意の内容

 COP21で合意が目指されている「2015年合意」は、これまでの交渉で、緩和(温室効果ガスの排出削減)、適応、資金、技術開発と移転、能力構築(キャパシティ・ビルディング)、行動と支援の透明性といった要素をバランスよく扱うべきであること、異なる国別事情に照らし「共通だが差異ある責任と個別の能力(CBDRRC)*1」という原則を反映した野心的な合意であることが確認されており、2020年以降の新たな国際枠組みである「パリ合意」と「COP決定」の2本立てになることはほぼ合意されています。「パリ合意」には新しい枠組みの核(コア)になる内容を、「COP決定」にはそれを補足・補佐する内容を書き、これらをパッケージとして合意することが想定されています。
表1 ADP共同議長が提示した「パリ合意」の構成案
前文
定義
総則/目的
緩和(排出削減)
適応、損失と損害(ロス&ダメージ)
資金
技術開発と移転
能力構築(キャパシティ・ビルディング)
行動と支援の透明性
約束、貢献、および実施と野心に関するその他事項に関わる時間的枠組みおよび過程
実施の促進および遵守
手続きおよび制度的規定
出所:CASA作成
表2 ADP共同議長が提示した「COP決定」の構成案
前文WS1及びWS2
「パリ合意」の採択
国別貢献案(INDCs)
決定要素
D 緩和(排出削減)
E 適応、損失と損害(ロス&ダメージ)
F 資金
G 技術開発と移転
H 能力構築(キャパシティ・ビルディング)
I 行動と支援の透明性
J 約束、貢献、および実施と野心に関するその他事項に関わる時間的枠組みおよび過程
K 実施の促進および遵守
2020年までの野心(WS2)に関する要素
合意が発効するまでの作業計画
組織的アレンジメント
運営および予算
出所:CASA作成
* Ⅴには、ⅢのD~Kが記載されています。
 表1は、2015年7月24日にADP*2の共同議長が提示した「パリ合意」の構成案です。表2は同じくADPの共同議長が提示した「COP決定」の構成案です。
 表1の「パリ合意」の構成案と表2の「COP決定」の構成案とで異なるのは、「WS2(ワークストリーム2)」に関する事項が「COP決定」に入っていますが、「パリ合意」には入っていないことです。「WS2」は、2020年までの排出削減レベルの引き上げに関する交渉なので、2020年以降の新たな法的枠組みについての合意である「パリ合意」の項目にはなりません。この「パリ合意」と「COP決定」の構成案は、あくまで共同議長の提案であり、「パリ合意」と「COP決定」がこのような構成になるかどうかは未定で、今後の交渉に委ねられています。表1の「パリ合意」の構成案のD~Kと、表2の「COP決定」の「決定要素」のD~Kとは同じですが、このうちどの要素が「パリ合意」に入り、どの要素が「COP決定」に入るのかは決まっていません。同じ要素が「パリ合意」と「COP決定」の両方に入ることもあります。
 表1と表2に共通の「D緩和」、「E適応、損失と損害」、「F資金」、「G技術開発と移転」、「H能力構築(キャパシティ・ビルディング)」の要素は、2007年のCOP13のバリ行動計画以来、主要な交渉テーマとして交渉が重ねられてきており、2020年以降の枠組みにおいても、こうしたテーマについて合意が必要なことは共通の認識です。
 なかでも今回のCOP21の最大の焦点は、「D緩和」で、とりわけ各国の2020年以降の削減・抑制目標(INDC*3)です。

*1 CBDRRC:common but differentiated responsibilities and respective capabilities
*2

行動強化のためのダーバン・プラットフォームに関する特別作業部会。2011年、南アフリカ・ダーバンで開催されたCOP17で設置された作業部会で、2020年以降のすべての国が参加する新たな法的枠組みを交渉する場。
*3


INDC:intended nationally determined contributions。2020年以降の枠組みの下で実施される削減・抑制目標を指します。緩和だけでなく適応をINDCに含める国もあります。日本語では「国別目標案」、「約束草案」などと訳される場合もあります。

  

カンクン合意と2℃目標

 2010年にメキシコのカンクンで開催されたCOP16では、COP15で留意にとどまったコペンハーゲン合意に記載された2℃目標をCOPでの正式な決定として確認し、京都議定書に参加していないアメリカ、さらに京都議定書では削減目標を負っていない途上国も含めてすべての国が自主的に削減・抑制目標を設定し、その履行を政治的に約束することになりました。このカンクン合意により、各締約国が2020年目標を提出しています(表3)。しかし、現在提出されている目標は、平均気温の上昇を2℃未満に抑制するには極めて不十分です。
表3 カンクン合意の下での主要国の目標(2020年)
排出量のシェア(2010年)削減目標*1基準年備考
中国24.0%▲40~45%2005年GDP当たり
アメリカ17.7%▲17%2005年
EU9.8%▲20%/▲30%1990年
旧15ヵ国27ヵ国
ロシア5.2%▲15~25%1990年
インド5.4%▲20~25%2005年GDP当たり
日本3.8%▲3.8%2005年1990年比では+3.1%
韓国1.9%▲30%BaU*2
カナダ1.8%▲17%2005年
オーストラリア1.3%▲5~15%/25%2000年
ブラジル1.3%▲36.1~38.9%BaU比
南アフリカ1.1%▲34%BaU比
*1 前提条件により幅のある目標を提出している国がある。
*2 BaU(Business as Usual)とは、「現在までに導入されている対策の効果を想定し、追加的な対策が講じられず現状の対策レベルで推移する」と仮定した場合の将来予測を指す。「現状推移ケース」という場合もある。
出所:排出量のシェア(2010年)はIEA「CO2 EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION HIGHLIGHTS」2012 EDITIONよりCASA作成、各国の目標はUNFCCCウェブサイトより。
89図1
図1 2030年までのGHG排出経路
出所:IPCC第5次評価報告書第3作業部会報告、
政策決定者向け要約よりCASA作成
 AR5によれば、2℃未満に抑制する可能性が少なくとも半分程度(33~66%)となる水準は、2100年の温室効果ガス(GHG)濃度は約450ppmか約500ppmで、そのためには2030年における年間GHG排出量はおよそ30~50Gt*4(300~500億t)としています。図1は、AR5の第3作業部会報告(WG3)に掲載されているもので、2030年までのGHG排出シナリオ経路を示したものです。下の色の濃い部分が2030年のGHG排出量が50Gt未満のシナリオ経路で、真ん中の少し濃い部分が50~55Gt、上の薄い部分が2030年に55Gtを超えるシナリオ経路です。図1の真ん中に描かれた太い縦線は、カンクン合意に基づく2020年の削減目標の範囲です。つまりカンクン合意に基づく2020年の削減目標はもっとも削減できた場合でも50Gtを超えており、2℃未満に至る排出経路からは外れています。AR5は、このままいくとカンクン合意の排出量は、3℃未満に抑える可能性が高い(66%以上の確率)シナリオ経路におおむね一致するとしています。
 AR5は、2020年までの努力に加えて2020年以降にさらなる大幅な削減ができた場合には、2℃未満目標達成の可能性も残されているとしていますが、緩和の努力が2030年まで遅れて、2030年に55Gtを超える排出になった場合には、削減に向けた選択肢が減り、2℃未満の達成は難しくなるとしています。
 つまり2℃未満を達成するためには、世界の年間GHG排出量を2030年に50Gt未満にしなければならず、そのために「2015年合意」が決定的に重要なのです。

*4 本稿で記述しているGt(ギガトン)の数値は、すべて二酸化炭素換算(CO2e)の数値。

  

提出されているINDC

 現在の排出削減目標は、①カンクン合意の下で自主的に提出されている削減・抑制目標と、②京都議定書の下で掲げられている削減目標の2本立てになっています。②については、京都議定書に参加している締約国とアメリカやカナダのように京都議定書に参加していない締約国の大きく二つに分かれており、京都議定書に参加している締約国も、第2約束期間(2013~20年)の削減目標を持っている締約国(先進国)と削減目標の無い途上国、第2約束期間の削減目標を拒否した日本、ロシア、ニュージーランドなどに分かれています(表4)。
表4 京都議定書の現状
京都議定書締約国非締約国
第2約束期間
(2013~20年)
参加国非参加国
削減目標ありなしなし
締約国EU27、クロアチア、アイスランド、オーストラリア、ノルウェー、スイス、モナコ、リヒテンシュタイン、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナ途上国日本、ロシア、
ニュージーランド
アメリカ、
カナダ
出所:CASA作成
 COP17で、2020年以降の新たな法的枠組みには、京都議定書に参加していないアメリカ、すでに議定書離脱の可能性を報じられていたカナダも含め、すべての締約国が参加することが合意されました。COP19では、すべての締約国は各国が定める2020年以降のINDCを提出するよう要請されています。また、COP20で、INDCは「現状の取り組みをこえるもので、継続して前進するもの」とすることが合意されました。いわゆる「後退禁止(no backsliding)」と言われるもので、新しい枠組みの下で各国の目標や行動が実効性をもつことを担保しようとするものです。たとえば、日本の2020年目標のように、鳩山内閣が2009年9月に、1990年比で25%削減の2020年目標を国際的に公約したにもかかわらず、2013年11月には1990年比で3.1%増加する2020年目標に変更したような「後退」は許さないということです。
 世界の主要な研究者のグループである「Climate Action Tracker(CAT)」によれば、9月1日現在、EU加盟国を含め56ヵ国分、29のINDCが提出済みで、これらは2010年時点の世界全体の排出量の約65%をカバーし、総人口の43%をカバーするものになっています。CATは2010年時点の世界の排出量の64.5%、総人口の41%をカバーする16のINDCを分析した結果、現在提示されているINDCは2℃目標と大きく乖離しており、2025年までに12~15Gt、2030年までに17~21Gtの排出削減量の上積みが必要と推計しています。とくに、ロシア、カナダ、ニュージーランド、日本などのINDCは「不十分」と評価されています。 なお、「2015年合意」において、目標案がどのような位置づけになるのか(どの文書に位置づけられるのか、また法的拘束力を持つのかなど)は、現時点では決まっていません。

  

EUのINDC

 EUは、気候変動枠組条約の交渉段階から、先進国こそが率先してGHGを減らすべきだという「先進国責任論」に立ち、世界をリードする温暖化対策を計画、実施してきました。
 COP3前年の1996年には「地球の平均気温の上昇を工業化以前から2℃未満とする」ことを政策目標として確認しています。1997年のCOP3に向けては、EUは15ヵ国で2010年までに1990年比で15%の削減目標を掲げて、交渉をリードしました。京都議定書の第1約束期間では、EUの削減目標は8%となりましたが、EU27ヵ国におけるGHGは1990年比で18%削減し、議定書の8%削減義務を負っているEU15ヵ国も目標を達成できています。
 また、2003年にはEU域内でのキャップ&トレードの排出量取引制度の導入を決め、2005年から世界で最初にこの制度を実施しました。再生可能エネルギーの導入についても、2008年には2020年までに1次エネルギーの20%を再生可能エネルギーで供給することを目標とする指令を出しています。
 このように、EUは、常に温暖化問題における国際交渉のリーダーシップをとってきました。この背景には、環境に寄せる民意が大きいこと、また軍事力を持っていないため、環境の分野で世界のリーダーシップをとりたいというEUの政治的思惑があるともいわれています。
 2015年3月6日、2030年までにGHG排出量を域内で、少なくとも1990年比で40%削減するとするINDCを条約事務局に提出しました。この目標には海外クレジットを含まないとされ、「拘束力ある目標」とされています。

  

アメリカのINDC

 アメリカは、GHG排出量は世界第2位、過去からの累積排出量では世界第1位です。
 2001~09年まで続いた共和党のブッシュ政権は、京都議定書交渉から離脱するなど、地球温暖化問題には極めて消極的でした。2009年に就任した民主党のオバマ大統領は、発電事業者に再生可能エネルギーの利用を義務づけ、建築物や自動車の省エネ基準、排出権取引制度などを含む野心的な地球温暖化対策法案を議会に提出し、2009年6月にはクリーンエネルギー・安全保障法案が下院を通過しました。
 しかし、2010年11月の中間選挙で民主党が議席を減らしたこともあり、オバマ政権は包括的な地球温暖化対策法を諦め、既存の大気浄化法*5での規制に方向転換し、2014年6月には2030年までに火力発電所からの二酸化炭素(CO2)排出量を30%削減すると発表しました。その具体的な内容は、国内の石炭火力発電所への規制です。また、海外への石炭火力発電所の輸出も規制しており、これらの規制により新しい石炭火力発電所の建設や輸出も極めて困難になったと言われます。
 2015年3月31日、オバマ政権は、2025年までに2005年比で26~28%削減するというINDCを条約事務局に提出しました。この目標には海外クレジットを含まないとされ、28%削減を達成できるように最大限努力するとされています。この目標は1990年比では14~17%の削減になります。


*5 1963年に制定された大気汚染防止のための法律。2007年4月に米国最高裁がGHGも大気浄化法の対象との判決を下し、GHGをこの法律で規制することが可能になりました。

  

中国のINDC

 中国は、2007年にアメリカを抜いて世界最大のGHG排出国になり、過去からの累積排出量でも世界第2位の排出国です。国際的な交渉力も大きく、条約・議定書交渉では極めて重要な国です。
 これまでの中国の条約・議定書交渉でのスタンスは、先進国の歴史的責任を主張し、先進国にGHGの削減を求めるとともに、途上国への資金・技術援助を求めるものでした。また、先進国が地球温暖化対策の名目で、他国(中国など)の主権の侵害や内政への干渉や圧力を加えることへの警戒心が強く、国家主権・内政への不干渉を強く主張しています。そのため、中国は地球温暖化対策に消極的な国だと認識されることが多かったように思います。その典型的な出来事は、COP15で、コペンハーゲン合意の内容を弱めたのは中国だったと報道されたことです。
 しかし、世界最大の排出国となったこともあり、途上国の中からも中国に対策の強化を求める意見も出始め、中国も変わってきています。2007年には地球温暖化対策の具体的な目標、基本原則、重点分野や政策措置が含まれる「気候変動国家方式」が採択され、2008年には改正省エネルギー法が施行されています。2009年8月には、地球温暖化問題への対処を持続可能な発展の長期的な任務とし、低炭素経済の発展が明記された全人代決議が採択されています。実際、風力発電の設備容量は世界一で、太陽光発電も急速に増やしています。
 中国政府は、2015年6月30日、INDCを条約事務局に提出しました。その内容は、CO2排出量を2030年までにピークアウト*6し、そのために国内総生産(GDP)当たりの排出量を2005年比で60~65%削減するとしています。GDP当たりの原単位目標で、総量削減目標ではありませんが、中国が2030年までに排出量を増加から削減に転じることを明言したことはCOP21に向けた明るい話題です。

*6 排出量のピーク(最大の排出量)から減少に転じさせること。

  

日本のINDC

 日本政府も、7月17日、「2030年度に2013年度比26.0%削減(2005年度比25.4%削減)」とするINDCを提出しました。この目標は、「国際的にも遜色のない野心的な水準」だとされています。表5は、その根拠として日本政府が示したもので、政府の説明によれば、2013年比では、日本の削減目標はアメリカやEUなどより、数字が大きいというのです。しかし、1990年比で比較すると、日本の目標は18%削減に過ぎず、EUの40%削減に比べると、大きく見劣りしています。アメリカと比較しても、アメリカの目標年は2025年で、日本は2030年ですから、見劣りしていることは明らかで、先進国のなかでも最低レベルです。
表5 日本、アメリカ、EUのINDC89表5

出所:平成27 年4 月30 日付、審議会の「約束草案関連資料」より


 日本のINDCの削減数値が2013年比で大きく見えるのは、日本が1990年以降、GHGの削減に失敗してきたのに対し、EUは削減に成功し、アメリカも削減に向かっていることにあります。
この日本のINDCが先進国のなかでも最低レベルにあるのは、日本のINDCの根拠となっている「長期エネルギー需給見通し」が、再生可能エネルギーの導入に消極的で、温暖化対策に逆行する石炭火力を2030年に現在よりその割合を増やす*7としているからです。
 日本は世界5番目、過去からの累積排出量でも6番目の排出国であるにもかかわらず、2020年以降の削減目標でも大きく立ち後れ、温暖化対策にもっとも消極的な国と評価されてもしかたがない状況です。


 *7 石炭火力の割合を、福島原発事故前の10年間の平均である24%から、2030年に26%に増加させる計画。

  

COP21の見通し

 昨年のCOP20以後、今年になって3回のADPが開催され交渉が進められていますが、まだ交渉テキスト*8は85頁もあります。
 ADPの共同議長が提案している「パリ合意」と「COP決定」の構成案は表1及び表2のとおりですが、合意しなければならないことは、ここに記載されているものだけではなく、①採択されるパリ合意の法的拘束性、②削減目標の法的拘束性、③締約国のINDCの差異化の方法と態様、④目標の水準の設定とその報告・検証制度、⑤目標年、目標期間、共通の削減量の計算方法など、多岐にわたります。
 また、今回のCOP21で2℃未満目標を実現する削減目標に合意することは困難と思われ、今後2℃未満目標に向けて目標水準を上げていく仕組み、プロセスに合意する必要があります。さらに、削減のためには、政府だけでなく地方自治体、事業者、市民などの様々なステークホルダー(利害関係者)の取り組み、行動が必要で、こうした様々なステークホルダーに対する向かうべき方向性とビジョンの明確化も必要です。
 今回のCOP21で2020年以降の新たな枠組みについてすべての合意をすることが難しいのであれば、COP21で積み残した課題についての2015年以降の交渉事項、交渉計画にも合意する必要があります。

*8 Streamlined and consolidated text、Version of 11 June 2015 @ 16:30、http://unfccc.int/files/bodies/awg/application/pdf/adp2-9_i3_11jun2015t1630_np.pdf

  

高まる合意への機運

 「2015年合意」に向けて、世界の機運は高まってきています。
 今年6月にドイツで開催されたG7エルマウ・サミット首脳宣言では、COP21で合意を採択するとの強い決意を確認し、AR5が2℃未満に必要とする2050年までに2010年比で40~70%削減のなかの上方の70%削減目標を全締約国と共有することを支持するとしています。
 アメリカのオバマ大統領は、今年8月31日にアラスカのアンカレッジで行った演説で、「まだ可能な時に、一つしかない地球を守る合意をまとめなればならない。」と、COP21での合意に向けた強い意志を示しました。
 今年9月14日には、オーストラリアの与党・自由党の党首選挙で、地球温暖化問題に消極的だったアボット党首から、地球温暖化問題に積極的と言われるマルコム・ターンブル氏に党首が変わり、マルコム・ターンブル氏がオーストラリア首相に就任しました。
 9月23日には、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王がホワイトハウスを訪れ、歓迎式典で、オバマ大統領の地球温暖化問題への取り組みに言及し、「率先した取り組みを心強く思う。(地球温暖化問題は)将来の世代に残してはならない問題だ」と語ったと報道されています。
 こうしたなかで、日本の低い目標がCOP21での交渉を妨害しかねません。COP21までに日本政府がより野心的な削減目標を掲げるよう働きかけること、またCOP21で日本政府が合意を妨げないようにすることが、私たち日本の市民の、日本と世界の将来世代に対する責務になっています。

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